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UWAJIMA / EHIME

宇和島城

宇和島城は、城下から木立の坂を上った先に現存天守が現れる城です。藤堂高虎が築いた城郭を宇和島伊達家が受け継ぎ、二代宗利が現在の天守へ建て替えました。戦いの時代から平和な藩政の時代へ、天守の役割が変わったことを外観の装飾から読み取れます。

現在見られる主な建物・遺構
1666年ごろ 現存天守再建
主な城主
藤堂高虎・伊達秀宗・伊達宗利
城の立地と天守の構造
平山城・独立式層塔型天守
城山の木々に囲まれた宇和島城天守
Image: Wikimedia Commons contributor / Wikimedia Commons / Public domain

HISTORY

築城から現在まで

宇和島城の本格的な築城は、1595年に宇和郡を与えられた藤堂高虎によって進められ、1601年ごろに城が完成しました。海に面した地形を利用し、城郭の外周を不等辺五角形にまとめたとされます。高虎は築城の巧みさで知られ、石垣と縄張りにその考えが残ります。

1615年、伊達政宗の長男・秀宗が宇和島へ入り、宇和島伊達家が始まりました。二代宗利の時代に城を大修築し、1666年ごろ現在の三重三階天守へ建て替えます。入口に唐破風を置き、破風や懸魚で正面を整えた外観は、平和な時代の格式を意識したものです。

天守と、1860年に作られた十分の一模型がともに残る点も貴重です。模型と実物を比べると、建具や内部構成を細かく確認できます。城山には異なる時期の石垣が残るため、山道を上りながら高虎期と伊達期の整備を見分けます。

CHRONOLOGY

  1. 藤堂高虎が宇和郡を与えられ築城を進める
  2. 高虎による城郭が完成
  3. 伊達秀宗が入城し宇和島藩が成立
  4. 二代伊達宗利が現在の天守を再建
  5. 天守の十分の一模型が作られる

PEOPLE, OBJECTS & THE CASTLE

藤堂高虎の縄張りと、宇和島伊達家の天守

肖像や武具、城に残る意匠から、城主と城の関わりを時代順に紹介します。

PORTRAIT / HISTORICAL IMAGE藤堂高虎を描いた江戸時代の肖像画
藤堂高虎を描いた江戸時代の肖像画Image: 作者不詳 / Wikimedia Commons / Public domain
ON SITE / STRUCTURAL DETAIL宇和島城本丸へ続く石段と石垣
宇和島城本丸へ続く石段と石垣Image: Reggaeman / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

藤堂高虎は海と丘陵を利用して城郭の骨格をつくりました。伊達秀宗の入城後、宇和島伊達家が城を受け継ぎ、二代宗利の大修築で現在の天守が完成します。

高虎期の天守と現存天守は同じ建物ではありません。縄張りと石垣には高虎の時代、破風を備えた白漆喰の天守には伊達家の時代が表れています。城内で二つの層を分けて見ます。

藤堂高虎

1595年以降に宇和島城の縄張りと石垣を整えました。

伊達秀宗

1615年に宇和島へ入り、宇和島伊達家の藩政を始めました。

伊達宗利

城を大修築し、1666年ごろ現在の天守を完成させました。

三つの資料から分かること

01

高虎の縄張りに、伊達家の天守が重なる

藤堂高虎が城郭の骨格をつくり、宇和島伊達家が現在の天守へ改めました。石垣と建物を続けて見ると、二つの時代が同じ丘に残っています。

02

石垣の違いが、改修の履歴を知らせる

登城路には、石の形や積み方が異なる場所があります。変化を探しながら上ると、城が一度に完成したのではないことが目に見えて分かります。

03

模型が、三層天守の内側を補う

外観と十分の一模型を見比べると、屋根の重なりと内部の床がどう対応するかをつかめます。小さな天守に納めた空間の工夫が理解しやすくなります。

所蔵館・文化財の公式解説を見る

FORTIFICATION

城を守るために、石垣・堀・門をどう配置したか

不等辺五角形の縄張り

外周を五角形に見せない工夫があったとされます。城下の地図と現地の道を重ねて、正方形ではない配置を読みます。

時期の異なる石垣

自然石を生かした古い積み方と、加工した石を整然と積む部分が同居します。修築の時代差を探せます。

小さな現存天守

三重三階で、正面に唐破風を備えます。戦闘設備を誇示するより、藩主の格式を示す外観です。

城山の森林

急斜面と樹木に囲まれた登城路が、天守を直前まで隠します。見通しの悪さと高低差そのものが守りになります。

FIELD ROUTE

初めてでも迷いにくい見学順

見どころを見落とさず、入口から出口まで歩きやすい順に紹介します。工事や入場規制がある日は、現地の案内に従ってください。

  1. 01

    桑折氏武家長屋門から城山へ入り、山麓の入口を確認する

  2. 02

    井戸丸を経て、苔むした石垣の積み方を見る

  3. 03

    上り立ち門から本丸への高低差を体で確かめる

  4. 04

    本丸で天守の正面装飾と側面の簡素さを見比べる

  5. 05

    天守内部で柱、階段、窓の位置を確認する

  6. 06

    城下へ戻り、伊達博物館で宇和島伊達家と天守模型を学ぶ

FOOD, TEA & ONSEN

生の鯛とたれを合わせる、宇和島鯛めし

同じ愛媛の鯛めしでも、松山・北条の炊き込みとは作り方が異なります。

刺身の鯛を使った宇和島鯛めし
Image: Fred Cherrygarden / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

地域に受け継がれた味

宇和島鯛めし

鯛の刺身を卵入りのたれに絡め、たれごとご飯にかける南予の郷土料理です。伊達秀宗の好物とするのではなく、宇和島の漁業と食文化を伝える料理として紹介します。

宇和島市観光物産協会「宇和島鯛めし」で確かめる

VISIT DETAILS

見学料金・開館時間・駐車場

大人一人の通常料金と、見学できる時間、休館日、車で訪れる場合の駐車場をまとめました。年齢区分、団体料金、特別公開は公式案内でご確認ください。

入城・入館料
天守は大人200円、65歳以上160円、高校生以下無料。城山郷土館は無料です。
開城・開館時間
3〜10月は9:00〜17:00、11〜2月は9:00〜16:00。城山公園は季節により6:00〜18:30または17:00です。
休城・休館日
天守・城山とも無休。
公営・指定駐車場
城山下駐車場は普通車のみ、24時間、1時間100円。中央町駐車場も1時間100円です。
駐車場から
城山下駐車場から天守まで徒歩約20分。JR宇和島駅から城山入口まで徒歩約15分です。
訪問前の注意
天守まで石段と山道が続きます。伊達博物館と天赦園まで回るなら半日を確保します。

確認日 2026.07.31。料金・開城時間・駐車条件は催事や工事により変わる場合があります。

DAY PLAN

宇和島城を巡る時間と費用

滞在
城山往復と天守で2〜3時間。伊達博物館や庭園を加えるなら半日を確保します。
交通
JR宇和島駅から城山入口まで徒歩約15〜20分。市内バスも利用できます。
予算
観覧、昼食、市内移動で3,000〜5,500円ほど。宿泊費は含みません。

CASTLE TOWN ROUTE

伊達家の天守から、庭と伝来品へ

宇和島城は天守だけでなく、伊達博物館と天赦園を組み合わせると宇和島伊達家の輪郭が立ち上がります。急坂を下りたあとに、平地の大名文化をゆっくり見られます。

所要時間の目安 追加90〜150分

宇和島藩主伊達家ゆかりの天赦園
Image: Jim O'Neil / Wikimedia Commons / CC BY 2.0

WALKING ORDER

  1. 01

    天守までの石段と登城道を歩く

  2. 02

    宇和島市立伊達博物館で伝来品を見る

  3. 03

    天赦園で池と藤棚を巡る

博物館

宇和島市立伊達博物館

宇和島伊達家の甲冑、古文書、婚礼調度などを収蔵します。展示替えがあるため、訪問日の展示内容を公式サイトで確認します。

公式情報を見る

大名庭園

天赦園

七代藩主・伊達宗紀が隠居所として整えた池泉廻遊式庭園です。伊達家の家紋にちなむ竹や、太鼓橋にかかる藤が庭の印象をつくります。

公式情報を見る

所要時間は移動と通常の見学を含む編集部の目安です。開館日、料金、展示内容は各施設の公式サイトでご確認ください。

AROUND THE CASTLE

城下町で食べる・泊まる・持ち帰る

知る

宇和島市立伊達博物館

宇和島伊達家の資料と天守模型を見てから城へ向かうと、建物の読み方が深まります。

公式情報を見る

歩く

天赦園

宇和島藩七代藩主・伊達宗紀が整えた池泉廻遊式庭園です。城の緊張感とは異なる大名文化に触れられます。

公式情報を見る

旅を整える

宇和島市観光物産協会

鯛めし、交通、祭り、宿泊の最新情報を確認できます。

公式情報を見る

BOOKS & DOCUMENTS

宇和島城の縄張りと伊達家を知る本

藤堂高虎が整えた縄張りと、宇和島伊達家が築いた現在の天守を分けて確かめられます。

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主な出典

本文は各城の公式解説、自治体・文化財情報をもとに編集部が要約しました。伝承は確定事項と分けて記載しています。

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