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MARUOKA / FUKUI

丸岡城

北陸に残る小ぶりな現存天守です。外観は二重、内部は三階で、急な階段や太い木組みに実戦的な時代の感覚が残ります。1948年の福井地震で倒壊しながら、古材を生かして復原された経緯も、この城を見るうえで欠かせません。

現在見られる主な建物・遺構
江戸時代前期 現存天守
主な城主
柴田勝豊・本多成重
城の立地と天守の構造
平山城・独立式望楼型天守
石垣の上に立つ丸岡城天守
Image: baku13 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.1 jp

HISTORY

築城から現在まで

丸岡城は1576年、柴田勝家の甥・勝豊が築いたと伝わります。北陸道と坂井平野を見渡す位置に置かれ、越前北部を治める拠点になりました。築城伝承の年代と現存天守の建築年代は分けて捉え、公式の調査成果を手がかりに見ます。

1613年に本多成重が城主となり、1624年には丸岡藩が成立しました。小規模な天守ですが、石垣の上に直接立つ力強い外観、板張りの内部、最上階へ続く急階段に、初期天守らしい簡潔さがあります。屋根には地域の気候に合わせた石瓦も見られます。

1948年の福井地震で天守は完全に倒壊しました。1955年の復原では、柱や梁の七割以上を再利用したと公式資料に記されています。現在の姿には江戸時代の材料と昭和の保存技術が重なっており、古写真と見比べると修復の意味がよく分かります。

CHRONOLOGY

  1. 柴田勝豊が築城したと伝わる
  2. 本多成重が城主となる
  3. 本多成重を初代藩主として丸岡藩が成立
  4. 福井地震で天守が倒壊
  5. 古材を生かして天守を復原

PEOPLE, OBJECTS & THE CASTLE

柴田勝豊から本多成重へ、城を受け継ぐ

肖像や武具、城に残る意匠から、城主と城の関わりを時代順に紹介します。

ARCHIVE / DOCUMENT1910年に撮影された丸岡城天守
1910年に撮影された丸岡城天守Image: 福井県 / Wikimedia Commons / Public domain
ON SITE / STRUCTURAL DETAIL木立の間から見上げる丸岡城天守
木立の間から見上げる丸岡城天守Image: baggio4ever / Wikimedia Commons / CC BY 3.0

柴田勝豊の築城伝承と、本多成重による藩政の始まりは別の時代です。現在の天守を見るときは、伝承上の築城年だけで建築年代を決めず、調査成果と修理履歴を合わせて考えます。

1910年の古写真には地震前の天守が写ります。1948年の倒壊後、古材を拾い分けて復原したため、現在の建物は現存材と修復材の両方で成り立っています。

柴田勝豊

1576年に丸岡城を築いたと伝わる城主です。

本多成重

1613年に城主となり、丸岡藩の基礎を固めました。

福井地震の古材

倒壊後の復原では柱や梁の七割以上が再利用されました。

三つの資料から分かること

01

最古をめぐる伝承は、建物調査で読み直される

伝承上の築城年だけでは、現在の天守がいつ建ったかを決められません。年輪や部材の調査を知ると、古さを競う言葉より建物そのものの価値が見えてきます。

02

石瓦と急階段に、北陸の城の工夫が残る

重い石瓦、急な階段、太い木組みは、写真だけでは伝わりにくい丸岡城の特徴です。内部を歩くと、気候と限られた空間に向き合った造りを体で感じられます。

03

倒壊した古材が、再び天守を支えている

1948年の福井地震で天守は倒壊しましたが、回収した古材を使って復原されました。現在の姿には、江戸時代の部材と戦後の保存の努力が同時に残ります。

所蔵館・文化財の公式解説を見る

FORTIFICATION

城を守るために、石垣・堀・門をどう配置したか

野面積みの石垣

加工を抑えた石を積むため表面は粗く見えますが、排水に適した構造です。足元の石の大きさと隙間を観察します。

二重三階の天守

外から二層、内部は三階です。小さな外観に階を収めた断面を、内部の床位置から読み取れます。

急な階段

最上階へ続く階段は非常に急です。ロープが設けられるほどの勾配から、居住性より防御を優先した造りを実感できます。

石瓦と風雪

寒冷地の天候に耐える石瓦が屋根を覆います。瓦一枚の厚みと屋根全体の重量を支える木組みに注目します。

FIELD ROUTE

初めてでも迷いにくい見学順

見どころを見落とさず、入口から出口まで歩きやすい順に紹介します。工事や入場規制がある日は、現地の案内に従ってください。

  1. 01

    城山の裾から天守を見上げ、石垣との比率をつかむ

  2. 02

    野面積みの石垣を一周し、石の形と排水の隙間を見る

  3. 03

    天守一階で再利用された柱と梁を探す

  4. 04

    急階段を安全に上り、外観と内部の階数の違いを確かめる

  5. 05

    最上階から坂井平野と北陸道の方向を見る

  6. 06

    古写真を見て、地震前後で変わった部分を確かめる

FOOD, TEA & ONSEN

城下に根づいた越前おろしそば

丸岡では、領主とそばの伝承を現在の郷土食までつなげて読めます。

大根おろしを添えた越前おろしそば
Image: 流しの / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

由来は地域伝承

越前おろしそば

越前市観光協会は、1601年に府中城主となった本多富正がそば職人を伴い、城下の医師とともに大根おろしを使う食べ方を広めたと紹介しています。現在は福井県内で広く親しまれる郷土食です。

越前市観光協会「越前おろしそば」で確かめる

VISIT DETAILS

見学料金・開館時間・駐車場

大人一人の通常料金と、見学できる時間、休館日、車で訪れる場合の駐車場をまとめました。年齢区分、団体料金、特別公開は公式案内でご確認ください。

入城・入館料
通常料金は大人450円、小・中学生150円。一筆啓上 日本一短い手紙の館も同じ券で入館できます。
開城・開館時間
通常8:30〜17:00、最終入場16:30。
休城・休館日
通常は年中無休ですが、現在は天守の大規模修理中です。2026年8月1日〜31日のみ内部を一部公開する予定です。
公営・指定駐車場
丸岡城駐車場は普通車40台、6:30〜20:00、無料。一筆啓上館北駐車場も140台、同時間帯で無料です。
駐車場から
丸岡城駐車場から天守下まで徒歩約3分。急な石段と天守階段に備えて歩きやすい靴が必要です。
訪問前の注意
2026年7月31日現在、通常の天守内部見学はできません。8月の一部公開条件と、その後の工事日程を公式情報で確認してください。

確認日 2026.07.31。料金・開城時間・駐車条件は催事や工事により変わる場合があります。

DAY PLAN

丸岡城を巡る時間と費用

滞在
天守内部と城山周辺で1.5〜2.5時間。急階段に備え、動きやすい靴で訪ねます。
交通
JR福井駅または丸岡駅から路線バスを利用。運行本数を先に確認します。
予算
観覧、昼食、市内移動で3,000〜5,000円ほど。宿泊費は含みません。

CASTLE TOWN ROUTE

天守から町を見渡し、短い手紙の文化へ

丸岡城は小ぶりな天守だからこそ、周囲の町との距離が近く感じられます。見学後は一筆啓上の手紙文化に触れ、この土地で歴史がどう語り継がれてきたかを見ます。

所要時間の目安 追加45〜90分

丸岡城天守から見渡す坂井市丸岡町
Image: Mnd / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

WALKING ORDER

  1. 01

    急な階段を上り、天守から丸岡の町を見る

  2. 02

    霞ヶ城公園で石瓦や石垣を見直す

  3. 03

    一筆啓上 日本一短い手紙の館へ

言葉の文化

一筆啓上 日本一短い手紙の館

徳川家康の家臣・本多作左衛門重次の手紙にちなむ施設です。短い言葉に残された家族への思いから、武将を戦歴とは違う角度で見られます。

公式情報を見る

旅の案内

坂井市観光ガイド

丸岡城周辺の行事、食事、交通に加え、東尋坊や三国湊へ足を延ばす情報も確認できます。移動時間を考えて次の立ち寄り先を選びます。

公式情報を見る

所要時間は移動と通常の見学を含む編集部の目安です。開館日、料金、展示内容は各施設の公式サイトでご確認ください。

AROUND THE CASTLE

城下町で食べる・泊まる・持ち帰る

読む

一筆啓上 日本一短い手紙の館

丸岡ゆかりの短い手紙を紹介する施設です。城と手紙を通して、土地の記憶をたどれます。

公式情報を見る

巡る

坂井市観光ガイド

丸岡城周辺の交通、食事、季節の催しをまとめて確認できます。

公式情報を見る

旅を広げる

ふくいドットコム

東尋坊や永平寺を組み合わせるときの公式観光情報です。

公式情報を見る

BOOKS & DOCUMENTS

丸岡城の建築年代と震災復旧を知る本

天守の年代調査、福井地震での倒壊、古材を生かした復旧を資料から確かめられます。

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主な出典

本文は各城の公式解説、自治体・文化財情報をもとに編集部が要約しました。伝承は確定事項と分けて記載しています。

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