津軽為信
城地を選び、弘前藩の城下町づくりを始めた初代藩主です。完成前に没しました。
HIROSAKI / AOMORI
東北に唯一残る現存天守です。城内には三棟の隅櫓と五棟の城門も残り、天守一棟だけでは分からない近世城郭の広がりを歩いて確かめられます。石垣修理に伴う曳家も弘前城ならではの見どころです。工事中は通行経路が変わるため、公式案内を見てから訪ねます。

HISTORY
弘前城は、津軽藩初代藩主・津軽為信が築城を計画し、二代信枚の代の1611年に完成しました。本丸、北の郭、二の丸、三の丸、四の丸、西の郭から成る平山城で、三重の濠と西側の地形を生かして守りを固めています。
築城当初の五層天守は1627年に落雷で焼失したと伝わります。現在の三重三階天守は、九代藩主・寧親が櫓造営の名目で幕府の許可を得て1810年に完成させました。東・南面には破風や懸魚を配し、北・西面と内部は簡素にまとめた、見る方向で表情の変わる建物です。
本丸石垣の修理では、天守を解体せずに移動させる曳家が行われました。天守と石垣を別々に観察できる期間は、城を保存する技術まで見られる貴重な機会です。修理工程により天守の位置や見学経路が変わるため、当日の案内に従います。
CHRONOLOGY
PEOPLE, OBJECTS & THE CASTLE
肖像や武具、城に残る意匠から、城主と城の関わりを時代順に紹介します。


為信が計画し、信枚が完成させ、寧親が現在の天守を建てました。三人を同じ『築城者』としてまとめず、城郭の創始、完成、天守再建という役割を分けて見ます。
写真の津軽信枚像は後世に描かれた肖像です。人物の容貌をそのまま写したものではなく、藩祖を記憶するために制作された資料として紹介します。
城地を選び、弘前藩の城下町づくりを始めた初代藩主です。完成前に没しました。
父の計画を受け継ぎ、1611年に城を完成させた二代藩主です。
幕府に櫓造営として願い出て、1810年に現在の天守を完成させました。
津軽為信が計画し、信枚が城を完成させ、寧親が現在の天守を建てました。一人の英雄ではなく、三つの時代が重なって今の姿になっています。
1627年に五層天守が焼失し、現在の天守は1810年に完成しました。同じ場所に続く城でも、失われた建物と現存する建物には約180年の隔たりがあります。
石垣修理のため天守を移動させた曳家は、現代の保存技術を伝える出来事です。築城だけでなく、残すために動かした歴史まで含めて弘前城の物語です。
FORTIFICATION
郭を幾重にも囲む濠が進路を限定します。追手門から本丸まで歩くと、外から内へ守りが重なる構成を追えます。
五棟の城門と三棟の隅櫓が残ります。門の向きと櫓の位置を地図で結ぶと、天守以外の防御線が見えてきます。
二の丸側の東・南面には装飾を置き、本丸側の北・西面は簡素です。城下からの見え方と本丸内での役割を分けた造りです。
石垣を積み直すために建物全体を移動させました。保存工事の順序を知ってから見ると、現存建築を守る難しさまで理解できます。
FIELD ROUTE
見どころを見落とさず、入口から出口まで歩きやすい順に紹介します。工事や入場規制がある日は、現地の案内に従ってください。
追手門から三の丸へ入り、門の正面を外した進路を見る
二の丸の辰巳櫓、未申櫓、丑寅櫓を地図で結ぶ
下乗橋から本丸石垣と天守を見上げ、工事中の動線を確かめる
本丸で天守の装飾が多い面と簡素な面を見比べる
北の郭へ進み、郭の高低差と濠の重なりを見る
西濠沿いを歩き、城郭の規模と岩木山の方向を確かめる
FOOD, TEA & ONSEN
細かく刻んだ野菜と山菜を煮込む、雪国の暮らしから生まれた郷土料理です。

地域に受け継がれた味
大根、にんじん、ごぼう、山菜、凍み豆腐などを刻み、味噌で煮込む津軽の郷土料理です。津軽為信ら藩主の好物とするのではなく、保存と作り置きの知恵を伝える冬の料理として見ます。
弘前市観光情報「けの汁」で確かめるVISIT DETAILS
大人一人の通常料金と、見学できる時間、休館日、車で訪れる場合の駐車場をまとめました。年齢区分、団体料金、特別公開は公式案内でご確認ください。
確認日 2026.07.31。料金・開城時間・駐車条件は催事や工事により変わる場合があります。
DAY PLAN
CASTLE TOWN ROUTE
弘前公園から藤田記念庭園へ進むと、津軽藩の城下町が近代の文化都市へ変わる過程を建物と庭でたどれます。桜の季節以外にも歩く理由が残る組み合わせです。
所要時間の目安 追加90〜150分

WALKING ORDER
弘前城天守と石垣修理の現場を見る
藤田記念庭園で洋館、和館、庭を巡る
津軽藩ねぷた村で祭りと工芸へ視野を広げる
庭園・建築
弘前出身の実業家・藤田謙一の別邸として整えられた庭園です。洋館と和館が同じ敷地にあり、城下町が迎えた近代の美意識を見られます。
公式情報を見る地域文化
ねぷたの展示、津軽三味線、工芸の実演を通して、城下町から現在へ続く文化に触れられます。実演時間は公式案内で確認します。
公式情報を見る所要時間は移動と通常の見学を含む編集部の目安です。開館日、料金、展示内容は各施設の公式サイトでご確認ください。
AROUND THE CASTLE
BOOKS & DOCUMENTS
焼失した初代天守、現在の天守、石垣修理に伴う曳家まで、城を守り継いだ経緯を扱う本を紹介します。
本文は各城の公式解説、自治体・文化財情報をもとに編集部が要約しました。伝承は確定事項と分けて記載しています。