朱漆塗仏二枚胴具足
桃山〜江戸時代の滋賀県指定有形文化財です。直政が関ヶ原の戦いで使ったと伝わりますが、文化財指定だけで実際の使用まで証明されたわけではありません。
HIKONE / SHIGA
天守だけでなく、天秤櫓の左右で異なる石垣、西の丸三重櫓と深い堀切、現存する大規模な馬屋まで残る城です。建物と井伊家の資料をあわせて見ると、徳川政権が西国を治めるうえで彦根城が担った役割まで理解できます。

HISTORY
関ヶ原合戦後、井伊直政は佐和山城を与えられますが1602年に死去。徳川家康の命により、直継が1604年に彦根山で築城を始めました。直孝の時代、1622年頃までに城下町を含む整備が完成します。
天守は三重三階ながら、切妻破風・入母屋破風・唐破風を重ね、花頭窓と高欄を組み合わせます。大津城天守を移したという伝承はありますが、移築の扱いは史料と建物調査を分けて読む必要があります。
天秤櫓の石垣は、向かって右に築城期の牛蒡積みを含む打込接、左に幕末修理の落し積みが見られます。左右の違いを一度に比較できることが、彦根城を歩く大きな価値です。
CHRONOLOGY
PEOPLE, OBJECTS & THE CASTLE
肖像や武具、城に残る意匠から、城主と城の関わりを時代順に紹介します。



井伊直政は武田旧臣を含む精鋭を率い、軍装を朱で統一した赤備えで知られます。ただし直政は1602年に死去し、現在の彦根城完成を見ていません。築城を進めた直孝まで含めて、井伊家の軍事と藩政をつなげます。
彦根城博物館には井伊家伝来の甲冑群があります。誰の所用か、関ヶ原で使ったかという伝承と、作品の制作年代・文化財指定は別々に読みます。
桃山〜江戸時代の滋賀県指定有形文化財です。直政が関ヶ原の戦いで使ったと伝わりますが、文化財指定だけで実際の使用まで証明されたわけではありません。
鎌倉時代の重要文化財。小田原攻めの先陣を果たした家臣へ直政が与えたと伝わります。
直政が関ヶ原で使ったと伝わる軍旗。井桁は軍標で、正式な家紋は丸に橘です。
井伊直政は1602年に亡くなり、彦根城の築城は1604年に直継のもとで始まりました。城下町の完成まで約20年を要した城は、直政一人の記念碑ではなく、直継・直孝と家臣団が引き継いだ藩づくりの成果です。
井伊家の家紋は丸に橘、戦場の旗印は井桁です。直政像の中啓にある橘と、赤備えの旗に見える井桁を見比べると、儀礼の場と軍勢を率いる場で印がどう使われたかが分かります。
朱漆塗仏二枚胴具足は桃山時代の作品で、直政が関ヶ原で着用したと伝わります。文化財として残る実物の形と、合戦での所用伝承をともに知ることで、赤備えを単なる勇猛な逸話で終わらせずに見られます。
FORTIFICATION
内堀・中堀・外堀で城と城下を段階的に囲みました。
橋を渡る敵を正面と両翼から見下ろす要所です。
尾根を深く断ち切り、山続きの侵入を遮断します。
武田旧臣の編成を取り込み、朱塗りの武具で統一した軍制を博物館資料から追えます。
FIELD ROUTE
見どころを見落とさず、入口から出口まで歩きやすい順に紹介します。工事や入場規制がある日は、現地の案内に従ってください。
表門から現存馬屋へ。軍馬を管理した城の実務を見る
鐘の丸から廊下橋を渡り、天秤櫓と石垣を左右で比較
太鼓門を通って天守へ。多彩な破風を近くで見る
西の丸三重櫓へ進み、堀切の深さを確認
黒門側へ下り、内堀と山の高低差を見る
玄宮園と彦根城博物館で、井伊家の武具・文書・能文化を補う
FOOD, TEA & ONSEN
近江の水辺で育った発酵食を、彦根の城下文化とあわせて知ります。

地域に受け継がれた味
琵琶湖のニゴロブナを塩と飯で乳酸発酵させる、近江を代表する保存食です。井伊家の特定人物の好物とは断定せず、湖国の暮らしと保存技術を伝える一品として紹介します。
農林水産省「滋賀県の郷土料理」で確かめる由来は伝承
赤こんにゃくを織田信長に結びつける説がありますが、農林水産省は裏づける史料がないと説明しています。彦根城主の食事として扱わず、近江に残る由来話の一つとして区別します。
農林水産省「赤こんにゃく煮」で確かめるVISIT DETAILS
大人一人の通常料金と、見学できる時間、休館日、車で訪れる場合の駐車場をまとめました。年齢区分、団体料金、特別公開は公式案内でご確認ください。
確認日 2026.07.31。料金・開城時間・駐車条件は催事や工事により変わる場合があります。
DAY PLAN
CASTLE TOWN ROUTE
彦根城の北東にある玄宮園では、天守を景色の一部として眺められます。山上から見下ろした城を、今度は大名庭園から仰ぎ見る順序がおすすめです。
所要時間の目安 追加75〜120分

WALKING ORDER
天守と西の丸を見学する
彦根城博物館で井伊家伝来品を見る
玄宮園を一周し、池越しの天守で締めくくる
大名庭園
四代藩主・井伊直興の時代に整えられたとされる庭園です。池、島、橋、茶室が天守の眺めと結びつき、藩主が過ごした平時の空間を想像できます。
公式情報を見る博物館
表御殿を復元した建物で、井伊家伝来の甲冑、刀剣、茶道具、能装束を展示します。展示替えがあるため、目当ての資料は事前に確認します。
公式情報を見る所要時間は移動と通常の見学を含む編集部の目安です。開館日、料金、展示内容は各施設の公式サイトでご確認ください。
AROUND THE CASTLE
BOOKS & DOCUMENTS
彦根城の築城、天秤櫓の石垣修理、井伊家に伝わる武具を具体的に確認できる本を紹介します。
本文は各城の公式解説、自治体・文化財情報をもとに編集部が要約しました。伝承は確定事項と分けて記載しています。