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暮らしの名店手帖 — 其の一

宇治の茶舗、伊藤久右衛門
― 天保三年から続く一杯の話

贈りものを選ぶとき、私たちはよく「格」という言葉を使います。けれど格とは、値段の高さのことではありません。その品が背負ってきた時間の長さ、そして作り手が守り続けた一貫性のことです。京都・宇治の茶舗、伊藤久右衛門を訪ねると、その意味がよく分かります。

茶づくりの始まりは、江戸後期の田原村

伊藤久右衛門の歴史は、江戸後期の天保三年、西暦でいえば一八三二年にさかのぼります。初代・伊藤常右衛門が、宇治田原の地で茶業に携わったのが始まりでした。以来、二代・久三郎、三代・由松、四代・多吉と、代々にわたって茶づくりの技と精神が受け継がれていきます。

転機が訪れたのは昭和二十七年。五代目・伊藤久三が、創業の地・宇治田原から宇治へと居を移し、平等院の表参道にあたる宇治蓮華に茶の販売店を構えました。会社設立にあたり、代々受け継いだ「常右衛門」の名を敬い、久三自身の名から「久」の一字をとって、屋号を「伊藤久右衛門」と定めます。名前ひとつにも、先人への敬意が畳み込まれているのです。

創業の地・宇治田原では、今なお伊藤家の茶園で茶づくりが続けられている。二百年近い時間が、途切れずに一本の線で繋がっている。

石臼が挽く、深い翡翠色

宇治抹茶の魅力は、その鮮やかな翡翠色にあります。伊藤久右衛門では、摘んだ茶葉をその日のうちに製造し、蒸して揉まずに乾燥させる伝統の製法で碾茶を仕上げます。そしてそれを、石臼で丹念に挽く。機械の高速回転では熱がこもり、色も香りも損なわれてしまう。石臼がゆっくりと挽くからこそ、あの深い緑と、まろやかな旨みが生まれるのです。

新緑の五月、八十八夜を過ぎたころ、宇治川のほとりには川霧がしっとりと立ちこめます。その霧が、やわらかく上質な茶葉を育てる。土地と気候と、人の手仕事。そのどれが欠けても、この一杯は成り立ちません。

老舗が、スイーツを作る理由

伊藤久右衛門の名を全国に広めたのは、実は伝統の煎茶や玉露ではなく、抹茶を使ったスイーツでした。抹茶パフェ、抹茶ティラミス、抹茶ロールケーキ。今でこそ抹茶スイーツはひとつのジャンルですが、老舗の茶舗がそこへ踏み出すには、相応の覚悟が要ったはずです。

けれど考えてみれば、これは奇をてらった商売替えではありません。「より多くの人に、宇治茶の色・味・香りを届けたい」という一点で、伝統の一杯とスイーツは地続きなのです。二〇〇〇年にはインターネット販売を始め、二〇〇五年には楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞。老舗でありながら、時代の扉を自ら開けていく。その姿勢こそが、この店を単なる「古い茶屋」に留めていない理由でしょう。

この店の品を、贈りものに

伊藤久右衛門 抹茶スイーツギフト

器に盛った状態が想像しやすく、贈る相手の食卓まで見えやすい和菓子です。天保三年から続く茶舗の抹茶を使った詰め合わせは、目上の方への手土産や、季節の贈りものに外しにくい一品。冷凍便のため、受け取る日と冷凍庫の余白が合う相手に向きます。

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格とは、続けてきた時間のこと

贈りものに老舗の品を選ぶ意味は、味だけではありません。二百年近く途切れずに続いてきた、その時間ごと相手に手渡せることにあります。受け取った人が箱を開け、宇治の茶の香りに触れたとき、そこには一八三二年から続く物語が、静かに寄り添っている。

暮らしの道具を選ぶとき、私たちは「使う場面」から考えます。贈りものもまた同じ。誰に、どんな場面で渡すのか。その問いの答えとして、長い時間を背負った一品は、いつも静かで確かな選択肢であり続けます。

店舗情報

伊藤久右衛門 宇治本店・茶房

所在地
京都府宇治市莵道荒槙19-3
アクセス
京阪宇治線「宇治駅」「三室戸駅」から徒歩約5分 / JR奈良線「宇治駅」から徒歩約12分
駐車場
店舗周辺に無料駐車場あり(満車時は近隣コインパーキング)
その他
茶房を併設。営業時間・定休日・季節限定メニューは変動するため、来店前に公式サイトでご確認ください。

※所在地・アクセスは公開情報を基にしています(確認日 2026.07.12)。最新情報は公式サイトをご確認ください。

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本ページはプロモーションが含まれています。店舗情報・商品内容は変動する場合があります(確認日 2026.07.12)。歴史・沿革は伊藤久右衛門公式サイト等の公開情報を参照しています。